「舞子お姉様、美香が知っていてワタクシには教えられない秘密って、なんの事な
の? 二人で私を馬鹿にするなんて! ひどい! 」
気品溢れる年上の美女の前で、日頃は使い慣れぬお嬢様言葉を苦労して操っていた
恵里子だが、興奮の余り、ついつい台詞も乱雑化した。
「別に恵里子を仲間はずれにしたわけじゃ無いわよ。知っている人は知っている、
知らない人は知らない、ただ、それだけの事なのに… 美香は知っていて、恵里
子は知らないだけの事だわ」
敬愛してやまない年上の美女から子供扱いされたと思い込んだ恵里子の眦は吊り上
がり、ピンクのルージュで彩られた唇は屈辱の深さを現すように細かく震えている。
「いったい、あのお屋敷の土蔵に、何があるのですか? 教えて下さい、舞子お姉
様! 」
「それが、こんな場所でお話するような事じゃ無くてよ、恵里子。もしもその気が
あるならば、これからお屋敷に行って、自分の目で確かめるといいわ。もちろん
私も一緒に行ってあげる。ねえ、どうする? 」


